心ごと

出来事について話さないカウンセリング。フォーカシングについてと、その活用法

「カウンセリングは何だか怖い」「悩んではいるけど、内容については話したくない」「言葉で説明するのが苦手」など、言葉を用いてカウンセリングしていくことはなかなか大変なことです。この記事では、イメージを用いたカウンセリングであるフォーカシングについて説明していきますね。

 

カウンセリングとはいえ、話したくないこともある

カウンセリングは、思っていることを言葉にすること、すなわち抽象的な感覚を言葉で表現することで具体的にすることを求められます。

 

しかし、この作業はとてもエネルギーを使いますし、自分が気づいていなかったこと、直視しようとしてこなかったことに向き合うことになるので、ショックも大きいです。

 

そんな時、「自分のモヤモヤした気持ちを吐き出したいけど、具体的には話したくない」という時にピッタリなカウンセリングがあるんです。それがフォーカシングという技法です。

 

フォーカシングについて

フォーカシングとは、カウンセリングの父、ロジャースの共同研究者であったジェンドリンが開発したカウンセリング技法です。クライエントの気持ちを具体的な言葉で落とし込むというよりかは、気持ちの感じに焦点を当てることを重視します。

 

例えば、「モヤモヤした気持ちがするんです…」というクライエントがいるとすれば、「それは身体のどのあたりに感じられますか?」「そのモヤモヤはどんな形ですか?どんな色ですか?」など、モヤモヤの感じを語ってもらいます。

 

それを繰り返していくうちに、不思議なことにそのモヤモヤがだんだんと変化していき、それに伴って自分の心も変化していきます。「モヤモヤがまるくなった」「モヤモヤが仲間になった」など、言葉では語っていないのに、自然と問題が解決してしまう技法です。

 

フォーカシングの技法について

それでは、フォーカシングの具体的なプロセスについて説明していきます。イメージを使うことが苦手な人は難しいかもしれませんが、軽い問題であれば友達同士でも扱えます。ただ、気分が悪くなればすぐに中止してくださいね。

 

フォーカシングの簡易版手順

 

ここでは、 フォーカシングを6段階に分けて説明していきます。

 クリアリングアスペース

お腹や胸のあたりなど、身体の真ん中・身体の内側に注意を向けながら、「どんな感じがするか」「最近気になっていることはなにか」など感じてみる段階。なにか浮かんでくれば、一言でいいので一つずつ確認していきます。

 

「あの仕事、今週中に片付けなきゃ」とか、「あのとき言われた一言が気になる」など、思いつくことを俯瞰的に見て、心のなかを整理するイメージ。問題と距離を置くと考えてもよいでしょう。

 

フェルトセンス

 クリアリングスペースで浮かんできたいくつかの気がかりや身体の感じを特定したら、その中から特に取り上げたいものを一つ選びます。そして、その気がかりを思い浮かべたとき、身体にどんな感じがするのか感じてみます。

 

例えば、「胸がつっかえる感じ」や、「もやもやしたものが残っている感じ」など、身体になにか感じられないか注意を向けてみる段階。

 

ハンドル表現

 フェルトセンスをバッグとすれば、ハンドルは「取って」の部分。「胸にモヤモヤした感じがある」と感じる場合、その「モヤモヤ」というのがハンドル表現になります。

 

ハンドル表現は言葉でなくても、オノマトペ、イメージ、動作、アート表現でもいいとされています。自分の感じにしっくりとする表現を探してみましょう。

 

ハンドル表現を響かせてみる

 しっくりくるハンドル表現が見つかれば、今度はそれを用いてみる段階。

 

何度か言葉で「モヤモヤ」と言って確かめてみたり、聴き手が「モヤモヤ」と伝え返した感じを感じてみたりして、「モヤモヤ」という表現で合っているか考えます。

 

問いかけ

 こうしてハンドル表現を響かせているうちに、ハンドル表現が変化して適切に言い表す言葉や表現が見出されてきます。このとき、自分の感じの意味が「わかった」という感覚を体験するときがありますが、これがフェルトシフトという現象です。

 

フェルトシフトを体験すると、何かが浄化されるような感覚や、涙や笑いが自然と起こったりすることもあります。

受け取る

 最後に、フェルトシフトという体験の変移によってもたらされた感覚を、大切にうけとる段階があります。最初は「腹が立つ」という怒りだったものが、「寂しい」という感情に変わることもあるので、話し手にとっては意外な、不思議な体験となりますが、それを否定するのではなく、しっかりと受け取ります。