心ごと

【大論争】フロイト以降の精神分析の発展

前回は、フロイトが残したさまざまな理論について説明しました。

 

psycheee.hatenablog.com

 

今回はフロイト以後の精神分析について、自我心理学と対象関係論の論争から、どう発展していったのかについて説明していきますね。

 

アンナ・フロイトvsクラインの大論争

アンナ・フロイトとクラインは、フロイトの理論を引き継ぐものとして声を挙げましたが、二人の理論は食い違う部分が多く、大論争を引き起こすこととなりました。

大雑把にわけると、環境か、本能か。みたいな論争です。

 

自我心理学

自我心理学は、患者のポジティブな自我を支えること、発達は段階的なものとして考えることなどをフロイトから引き継ぎました。

 

そもそもフロイトは、時代背景もあり、主にブルジョワジーの患者を担当していました。つまり、外では働いたりして現実的に適応できるんだけれども、私生活ではコップの水を飲めなかったりするなどの、どこか苦しさがあるような人を対象にしてた。

 

つまり、自我心理学もフロイトの治療と同じように、本能などの非科学的なものよりも、もっと患者の健康な部分に目を向けていこうよ!っていうスタンスを取ります。

 

対象関係論

しかし、クラインから始まる対象関係論はそうは考えません。クラインはフロイトの本能論を引き継ぎましたので、環境よりも、より本能的な部分に目を向けます。「赤ちゃんはみんな精神病」のように、患者を病的に考えます。

 

また、子どもへのアプローチ方法の違いもアンナ・フロイトと食い違います。

アンナ・フロイトは段階的に発達を考えたので、子どもはエディプスコンプレックスを経験してから(だいたい5歳くらいから)解釈をすることができ、それ以前には環境を整えることのほうが重要と考えたのですが、クラインはそれ以前の子どもにもバンバン解釈します。

 

解釈とは、つまり新しいものの考え方を提供すること。解釈をすることで、子どもが考えられない考えを考えられるようにしていきます。プリエディパル(エディプスコンプレックスより前)の段階を扱ったということも対象関係論の大きな特徴です。

 

対象関係論のその後

大きな功績を残したクラインですが、その後にはクラインの理論を更新していく臨床家が現れます。その代表的なものがビオンとウィニコット。ひとりずつ説明していきますね。

 

ビオン

ビオンは、クラインの投影同一化のモデルを、対象との相互作用的・循環的なものとして新たに考え直しました。

 

クラインは投影同一化を病的なものとして扱いましたが、ビオンは投影同一化を治療的なものと考えます。簡単にいうと、投影同一化は赤ちゃんと、赤ちゃんをあやすお母さんの間で起こるようなものと考えます。

 

考えられない考えをお母さんに吐き出して(投影)、それをお母さんが受け止めて、穏やかな形で返していく(同一化)。これを繰り返していくことで赤ちゃんは自分の考えられない思考を考えられるようになるよっていうこと。

 

対象関係論について、詳しくはこちらの記事で 

psycheee.hatenablog.com

 

ウィニコット

ウィニコットは、そもそも赤ちゃんは一人では生きられないので、必ず赤ちゃんはお母さんとセット(ユニット)になっていると考えた人。

「子どもの発達はもっと穏やかだよ~~子どもが穏やかに過ごせるように環境(お母さん)を整えようね~~」というスタンスをとります。

 

発達早期の、お母さんから全面的に受け入れられるという肯定的な体験が、その後どんな状況でも安定した自我を保ち、健全な発達を支えるという重要な心理的基盤となっていくのです。

 

ウィニコットについては、こちらの記事で

psycheee.hatenablog.com