心ごと

心理学的に見た、発達について

子どもと関わる心理士なら必ず知っておかなくてはいけない発達の知識。

 

だいたいの発達段階を目安として押さえておくことで、心理的に子どもを見たとき、どこがまだ成長していなくて、どこから問題が生まれているのか考えるヒントにすることができます。

 

この記事では、子どもの発達について、詳しく説明していきますね。

 

発達について

そもそも、発達には大きくわけて身体的な発達と精神的な発達があります。また、身体的な発達は精神的な発達に大きく影響を与えます。

 

例えば、乳児に視力がついてきた時には、物を区別して見る力や、自分と他者を区別する力の発達に影響してきますし、幼児が一人で歩けるようになった時には、自立する力、歩きまわって探求する力が伸びてきます。

 

つまり、子どもが身体的に成長していくにつれ、自然と精神的な発達も促されていきます。このように、子どもの身体的な発達過程に対応した、目安として考えられる精神的な発達過程を表にしたのが、後述する心理的な発達段階です。

 

精神発達には2つの軸がある

そして、精神発達には大きく2つの軸をもっていると考えられます。世界を学んでいくという認識の発達と、社会性を学んでいくという関係の発達。詳しく説明していきますね。

 

・認識の発達(ピアジェ)

認識の発達とは、主にピアジェが提唱した、まわりのものや、言葉(知識)などの外界(環境)と自分をうまく適応させていくことです。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、おもちゃのガラガラの使い方をしらずに咥えてしまいます。しかし、お母さんが目の前でガラガラと音を立てて使い方を教えてあげることで、やがて赤ちゃんもガラガラをガラガラとして使い、遊ぶことができるように学んでいきます。

 

このように、人は生まれてからずっと、ものや言葉(知識)の適切な使い方を学び、自分のものとして取り入れていきます。こうして認識が発達し、環境により合理的に適応していくのが発達であるとピアジェは考えました。

 

・関係の発達(フロイト)

関係の発達とは、主にフロイトが提唱した、人と人の関係性の発達です。ただ、この関係性というのは言葉で表すと一語ですが、じつに幅広い意味をふくんだ概念です。

 

人間は社会的な生き物であり、まわりの人とのかかわり、関係性をうまくとりながら生きていきます。

 

フロイトは、その人間の関係性の発達を推しすすめる原動力として、お母さんとの情緒的な交流に基づく愛情(リビドー)を提唱しました。 

 

発達段階

発達段階については、フロイトやピアジェ、エリクソンなど、さまざまな心理学者が説明していますが、大まかに見ると、発達段階は一致する考えが多く見られます。ここでは、主にフロイト・ピアジェ・エリクソンの理論に身体的発達を加味した発達段階を説明していきますね。

 

 

乳児期(0~2歳くらい)

この時期の子どもは一人では何もできず、手もかかります。お母さんがつきっきりで子育てをする時期です。

 

しかし、裏を返せばそれだけ愛着的で、密な関わりがなされる重要な時期であり、この時期に子どもは「自分は愛されている存在なんだ」という、生に対する肯定的な感情を持つようになります。

 

この時期はピアジェの言う感覚運動期と重なっており、子どもはものの永続性や、因果をやんわりと学んでいき、これらが後の論理的思考の土台となるのです。

 

例えば、この時期の子どもにする遊びとして「いないいないばあ」がありますが、これはお母さんという存在が見えなくなっても、実際に消えてなくなったわけではないこと(対象の永続性)を使った遊びです。

 

幼児期(2~4歳くらい)

この時期の子どもは、フロイトでいう肛門期とほぼ重なり、自分で自分をコントロールしていく力や、自律性を学んでいく時期です。

 

肛門期とはその名の通り、子どもがトイレットトレーニングを始める時期です。

それまでは無力で、何に対しても受動的でなければいけなかった子どもが、自分の衝動(う○ちしたい)をうまくコントロールし、扱えるようになります。

 

この時、おそらく初めて子どもは自分で自分をうまくコントロールし、さらにその結果を親に褒められるという体験から、自律性が育っていきます。

 

また、この頃から7歳ぐらいまでは、ピアジェのいう前操作期にあたります。

まだ自己中心的な思考が抜けきっておらず、おもちゃや物にも、自分と同じように命があると思い込んだり、相手を思いやって自分の気持を押し殺すということはできなかったりします。

 

さらに、ピアジェはこの時期の子どもの見たて遊び(つみ木を電車に見立ててあそぶなどの象徴遊び)が子どもの言語発達を大きく促すと考えました。

 

遊戯期(4~6歳くらい)

この時期はフロイトの言うエディプス期(男根期)と重なり、男女の区別がついてくる時期です。

 

子どもは、異性の親に恋愛的な好意をもつと同時に、同性の親に対してライバル意識をもちます。ただ、同性の親に対しても好意はあるので、ここで初めて子どもは葛藤というものを経験します。

 

その葛藤を乗りこえるなかで、自分の性的なアイデンティティを確かなものにしつつ、自己確立していくというプロセスを踏みます。「我」や「個性」が出てくるのもこの時期です。

 

 

児童期(6歳~12歳くらい)

小学校に入ると、フロイトのいう潜伏期、ピアジェのいう具体的操作期にあたります。

 

エディプス期で芽生えた異性への感情がいったん見られなくなり、小学校という成績で評価される社会の中で、勉強を通して社会に認められていくことが大きな関心になります。

 

また、算数的な思考ができるようになり、それまではできなかった保存の概念の獲得や、可逆的な計算ができるようになります。

 

青年期以降(12歳以降~~)

青年期は思春期とも呼ばれ、フロイトのいう性器期、ピアジェのいう形式的操作期にあたります。

 

学童期では潜在意識においやられていた性欲が、中学校からは健在的に見られるようになります。成人と同じ性欲性をもつことになり、この時期をもって関係性の発達は完成を迎えるとフロイトは考えました。

 

ピアジェは、この時期からは抽象的な思考ができるようになるといいました。いわば数学的な思考であり、三角関数や微分積分など、具体的・日常的なものから遠く離れたことに対して、論理的に考える力です。

 

 

 

エリクソンの発達段階についてはこちら 

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