心ごと

【院生が教える】心理学とはいったいなんなの?概要や種類をかんたんに説明

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おはようございます。心理学大学院生のsunaoと申します。

「心理学を学べば人間関係がよくなる」「心理学はビジネススキルで必須」などと、今ではどこでも心理学、心理学といわれるようになりました。でも、「けっきょく心理学ってなんなのさ?」と思っているかたもまだまだいるのではないでしょうか?

そこで、大学・大学院と心理学を学びはじめて5年目になる私が、心理学についてわかりやすく説明していきますね。


心理学ってけっきょく何なの?

 

心理学とは、一言でいうと「人間の心を科学的に研究する学問」です。

 

はるか昔には、プラトンアリストテレスなどの哲学者が「心とは何か」について考えていました。ですが、19世紀になってからは「心を科学的にとらえよう」という動きが高まり、学問としての心理学が始まりました。

 

人の心は、目では見えずにわかりにくいものですが、私達の行動には心が密接に関係しています。その心を少しでも明らかにするために、実験や統計などをつかった科学的な研究が必要だったのです。

これらの研究の結果を積みかさねてきたものが認知心理学などの基礎心理学であり、基礎心理学を日常などに広く応用して使うのが臨床心理学などの応用心理学です。


DaiGoにみる心理学と日本人の誤解

日本での心理学ブームの火付け役となったのはメンタリストのDaiGoでしょう。人の心を読むようなパフォーマンスで、テレビの前の多くの人を沸かせました。そのため「心理学を学ぶと人の心が読めるんだ!」と誤解されるかたも多いですが、そんなことはありません。

 

あくまでも心理学は「こういう時、人間の心はどう動くのか、感じるのか?」を科学的に研究し、日常に応用しているだけで、心を読んだり、心を操作したりするものではありません。

 

テレビでのDaiGoはあくまでもパフォーマンス。DaiGoは科学的に、人間はどういう選択をするか、どう行動するかを知っているから、はたから見ると心を読んでいるように思えるのです。心理学は人の心を読むような超能力ではなく、きちんと科学的に裏付けられている学問なのです。

 

心理学を学べば人生が変わるの?

心理学=胡散臭いものと決められた要因の1つに、ビジネス本や恋愛本などで「心理学を学べば仕事が上手くいく!」 「心理学を学べば彼女ができる!」などと心理学をウリにする会社の存在があります。いかにも、「心理学を学べば対人関係が良くなり、人生が変わる」かのように書かれていますが、それは半分正解で半分間違いです。

 

心理学を学んでも、心は読めるようにならないし、操れるようにもなりません。あくまで、ふだんよりも人の心がどう動くか分かりやすくなる程度です。

ですが、今まで考えていなかった心の存在を学ぶことで、「あ、今こういう応答を相手は求めているだろうな」 「今自分は怒っているんじゃなくて悲しいんだな」などと、相手の言葉、行動の奥にかくされた気持ちに対応できるようになったり、自分の中のモヤモヤしていた感情の正体が分かりやすくなったりします。

  

心理学の誤解を解いたところで、次は心理学の分類についてお教えしていきます。

 

心理学の分類

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心理学は心を扱う学問なので、非常に幅広いジャンルに分かれて研究されています。大枠を説明するので、あなたに合った心理学を探して見てください。


心理学には、発達心理学や臨床心理学など、さまざまなジャンルがありますが、大きくわけて基礎心理学応用心理学に分かれます。

 

基礎心理学は、実験や観察を用いて「人はこういう時こう動く、こう感じる」という法則を研究したり、データや資料から心を解き明かします。主なものには、認知心理学、生理心理学、学習心理学発達心理学などがあります。

 

応用心理学は、基礎心理学で得た知識や法則をつかって、現実の心の問題の解決に役立てます。主なものには、臨床心理学や産業心理学教育心理学、スポーツ心理学などがあります。

認知心理学

人間のものの見方・とらえかた(情報処理過程)について研究する心理学。人の注意や、問題解決のやりかたなど、広く研究されている。

 

ex)うるさいパーティーの中でも自分についての話題はハッキリと聞き取れるカクテルパーティー効果についての研究など


生理心理学

人間の生理的な活動と心は関係していると考え、実験で明らかにする。

ex)嘘発見器のように、汗や脳波、体温などで心の動きを考える

学習心理学

人は経験や学習によって行動が生まれると考える心理学。

ex)梅干しを見るだけで唾液が出るのは、体が梅干しを食べると唾液をたくさん出すのを覚えているから。学習心理学パブロフの犬で有名。

(生涯)発達心理学

人の発達にともなう変化についての心理学。「この時期はこれが課題になる」という発達課題や、子供の成長の段階、社会性や情緒の変化について研究されている。

臨床心理学

人の悩みに対して、心理学の知識や技術をもとにカウンセリングや心理療法を行い、その人らしい解決を探すことを目的とする実践的心理学。

産業心理学

会社や仕事などの産業活動における人の心を研究し、メンタルヘルスや作業効率など幅広いテーマに対応する。

教育心理学

人間がどのように学び、育っていくのか研究する心理学。子供の発達や学習効果について学んだ上で、どう教えていくのか考える。

スポーツ心理学

スポーツ選手の行動と心理を研究し、最高の結果を出すための方法を探る。選手のモチベーションや不安や緊張、イメージトレーニングなどを扱う。

 

 この他にも、言語心理学文化心理学犯罪心理学社会心理学災害心理学家族心理学、コミュニティ心理学など、非常にたくさんの心理学があります。


心理学をまなぶことで得られるもの

 

 

心理学を学ぶと、以前よりも人の心について関心を向けられるようになります。ふだんは考えないような「人はなぜこう感じるのか?」という疑問をみつけることができるし、それを理解できるようになります。

 

ふだん生活していると心について考えることはほぼありませんが、人の行動や感情、感覚には必ずその人の心が関係しています。心理学を学ぶことで、相手だけでなく、自分の心にもじっくりと向き合って考えられるようになります。心理学にすこしでも興味をもっていただけると幸いです。


参考文献

横田 正夫(2016). 教養のトリセツ 心理学 日本文芸社
楠見 考(2018). 心理学って何だろうか? ――四千人の調査から見える期待と現実―― 誠信書房